2008年09月24日

旅日記@ベトナムからラオスへ


いつか。きっと。今度こそ。
次の目的地はベトナムの最終地、ハノイ。
今度こそ大穴を当てるもんね。びりちちにもギャフンと言わせてやる。
強い決心をして、夕方ハノイ行きのバスに乗り込んだ。
意気込んで乗ったバスはまたしても狭くて、道が悪いのでガタガタ揺れて眠れないほどだった。
朝6時、ハノイに到着。朝なのに、もうワラワラと野菜やパンの籠を担いだヒトが働いていた。
ワラワラとヒトは多いけど、ホーチミンとはまったく違う雰囲気。
なんとなく昔の中国っぽい。みんな黙々と同じ目標に向かって進んでいる感じだ。

旅日記@ベトナムからラオスへ
@今日も蒸し暑い。曇ったり晴れたり@

宿に荷物を降ろして、早々ゴハンを食べに行く。ココでの目玉はブンチャー。
米の麺にハンバーグみたいなのと香草をたっぷり入れて食べる冷やし素麺の豪華版みたいなの。
コレもガイドブックの写真を見て、ぜひぜひ食べてみたい!と思ったタベモノ。
嫌がるびりちちの背中を押してガイドブックに載っていたお店へ行く。
お店は人気店とあって繁盛していた。お肉のニオイが充満している。
ソレもちょっと古くなったようなお肉のニオイ。
う・・クッセー・・そういえば、わたしたちはお肉があまり好きではない。
びりちちは思いっきり顔をしかめた。わたしも鼻をつまみたかったけど、びりちちの手前、我慢した。
変わりに、自分も励ますつもりで<おいしそうーなニオイ。>と言っておいたよ。

旅日記@ベトナムからラオスへ
@びりちちは呆れ顔だった。びりちちの絵日記より@

出てきたブンチャーはものすごいボリュームだった。
山盛りの米の麺に山盛りの香草、山盛りの春巻きに山盛りのハンバーグ。ソレらにハエがブンブン集っている。
山盛りの麺は茹でた素麺を1日冷蔵庫において置いたような麺でマッタクほぐれない。
ハンバーグはやっぱりクサイ。香草も水分がなく変色して古そうでマズそう。
見ているだけで気持ちが悪くなってきた。
でも、今日こそは。という気合を入れて食べ始める。
う・・・イカン・・コレは食えない・・
ハンバーグのお肉がニオウし、すごく脂っぽい。
ウエップ・・・く・・食えない・・
でもここで負けたら、もう後がないのよ。何のためにベトナムまで来たの?
ガンバレわたし!必死で鼻をつまみながら眉間にシワを寄せながらモクモクと食べる。

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@意地になって食べ続けるヒト@

ウゲップ・・気持ちがワルくなってきた。
それに、このお店に充満しているお肉のニオイが更に追い討ちをかける。クサいよー。
今まではお肉料理には手を染めなかったからガマンが利いたけど、もうダメかも。。
ハラに入れたブンチャーも出したいくらいだよ。
実際、カラダは正直者なので<もうベトナム料理は入れないでよ!>と
ノドのアタリまでブンチャーは逆流していた。
もう。。もう止めよう。こんな賭け事。いくら賭けたってハズレなんだ。
万馬券なんてメッタに当たるもんじゃないんだ。
アタマに描いていたイメージ通りのベトナム料理なんかはココには存在しないんだ。
びりちちもお肉のニオイにやられて、だんだん顔が青くなっていたけど
<そうら、見ろ。オレの言った通りじゃないか。ふふん。>みたいな顔をしている。
すごく悔しい・・でも、もうダメ。得意げな顔をするびりちちと急いで店を出た。

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わたしたちはその足で口直しをするべく
外国の旅行者レストランに入ってパスタとピザを注文した。
口直しばっかりだよ。でもウマい。すごくウマイ。
こんなにウマいものがあるから、ソレで充分じゃないの。
ナンで、あんなに熱中しちゃったのかしら。考えてみると本当にバカとしか言いようがない。
わたしはやっと冷静に自分を見つめることができた。
冷静さを失うのが賭け事のコワさよね。
もう、賭け事は一切しないようにしよう。地道に行くのが一番だよ。
教訓! シアワセは~♪ 1日1歩。3日で3歩。3歩進んで2歩下がる~♪

その後、日本の食材を売っているお店をみつけて、またマヨネーズとふりかけを買った。
マヨネーズは1本1000円もした。でも、いい。おいしいから許す。
わたしはもう二度とベトナム料理に夢を抱くのはやめようと思った。食べるのはフランスパンだけにしよう。
こうして約3週間もの長い戦いは幕を閉じた。完敗でっす。
びりちちにも負けたような気がして悔しい。そして・・・
今までの賭け事の借金は大きく膨らんでいた。

市場に一回10円の体重計があったので乗ってみたら、3週間で6キロも増えていた@@

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その後、スッカリ食のタビを諦めて、ダイエットのためにも一日中散歩して過ごした。
町はみんな、自分の事で精一杯の様子だったので
ヘンなヒトに声をかけられたりすることもなく歩きやすかった。
浅草とか上野をボロくしたような町は懐かしい感覚にもなって楽しかった。
売っているモノもブリキのおもちゃとか紙のおもちゃなんかもあってナンダカ懐かしい感じだよ。

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@すごく寒かったタムコックへも足を伸ばした。墨絵のようで美しかった@

毎日、寒くて灰色の空の下、楽しいわたしと反対にびりちちの顔はどんどん暗くドンヨリしてきた。
びりちちはベトナムが大嫌いみたいだった。早く日本へ帰りたくなってきたらしい。
わたしだって本当は日本に帰りたい気持ちでいっぱいだよ。
帰ったらおいしいお米と味噌汁と漬物を食べて、広い湯船に足を伸ばしてテレビ見て
清潔でフカフカなベットで寝たいよ。

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でも、まだ帰れない。だって、まだまだタビの資金は半分以上残ってるんだもん。
ソレにこの先のジンセイ、こんな長いタビが出来るチャンスは少ない。
まだまだ、いろいろな国を見たいし、まだまだ行くよ。
わたしはびりちちの背中をグイグイ押して、ラオス行きのバスに乗った。
ラオスまでは約24時間もかかる。今度のバスタビもキツそう。
<どうかラオス行きのバスは大きくて新しくて広いシートですように!>と強く願った。

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@バスはギュウギュウ@

バスは大きかった。でも、すごくボロかった。で
わたしたちがバスを見たとき、すでにラオスのヒトとその荷物でバスはギュウギュウだった。
バスの中へ入ると通路にもデッカイ風呂敷包みがドッサリ置いてあって歩けないほどだった。
荷物の上を歩きながら席に辿りつくと、ソコにも大きな荷物がドカンと置いてあった。
背もたれも直角!を保ってますよ。
シートの間も狭くて、びりちちの足は通路の風呂敷包みの上に乗せられた。
このバスで24時間過ごすのね・・・インドのバスタビよりもキツそう。
インドが終わったら、あとの国はラクしてタビが出来ると思ってたのに。ショック。やっぱり帰ろうか。。
ちょっと弱気になる。

旅日記@ベトナムからラオスへ

最初の計画ではタビ資金は3ヶ月くらいで底をつく予定だった。
でも実際タビに出ると、元来のケチ魂がムクムクと出てきて、もうタビは5ヶ月に入っているけど
資金は半分も減っていない。ケチのバカー!わたしは自分たちのケチを呪った。
わたしは小さい頃からド貧乏だったし、びりちちと暮らすようになってからもド貧乏は長い間続いた。
2万円台の日の当たらないボロアパートの家賃さえ払えなくて、
道端に落ちている雑草をテンプラにして食べていたし、お風呂屋さんにも行けなかったので流しでカラダを洗ったしタベモノはタダでもらえるパンの耳やオカラで、ご馳走といえば3個で100円のコロッケだった。
そういう時代を経ているので、ケチはなかなか直らない。

旅日記@ベトナムからラオスへ

本気で、パっとオカネを出して飛行機に乗って行こうかな。。と考えたけどバスは出発してしまった。
ギュウギュウのバスはどんどん高度を上げて山道をぐるぐる走る。揺れる。もう疲れてきたよ。
でも、目的地のラオスまではまだまだ遠い。
バスに乗って10時間後のまだ暗い朝方、バスは山道の途中で突然止まった。
しばらく待っても走る気配がない。運転手がナニか叫んでいた。
やだー。こんな所で故障なの?やだよー。
外が明るくなってきたので見てみると、バスの前に大きな岩がドデンと横たわっていた。落石だ・・
うそ・・ウッソー!確かラオスとの国境はもうすぐのハズ。ココまでガタゴト10時間も走ってきて、ソレはないよー。

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@道の真ん中にドスンと横たわる落石@


真っ青になりながら、運転手の様子を見ていた。
運転手はバスの乗客にナニか話し始めた。

まさか、ハノイに戻りまっす。とか言うんじゃないでしょうね・・

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@赤線がベトナムでのバスルート。青線がこれから通る予定のラオスのルート@

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Posted by びりははです at 09:04 │旅日記