2008年09月25日

旅日記@ラオス

旅日記@ラオス
@オレに任せてなのャ@今日も曇りがち。ジメジメ@

バスの乗客は運転手の話を聞いてゾロゾロと外へ出て行った。女の人たちはみなバスに残っている。
前の落石現場で大きな声がした。みんなセーノ!で大きな落石を転がそうとしていた。
アメリカさんたちもバスを降りた。びりちちも降りた。
わたしは心の中でイケー!行くんだ!ジョー!と叫んでいた。
みんな頑張った。でも、大きな岩はビクともしない様子だった。
30分が過ぎ、1時間が過ぎた。もうダメなんだ。あんなに大きな岩が動くワケがないよ。
対向車はまったく見ないし、後ろから車が来る気配もまったくない。

旅日記@ラオス
@イシのことならびりびり運送へ。なのャ@


わたしは途方にくれた。これからハノイに戻ることになっちゃったら、イッソのコト日本へ帰ってしまおうか。。
もう、おばちゃんとおじちゃんなんだからカラダはクタクタだよ。肩も腰も痛いよ。
あぁ。大きい湯船に入りたい。日本に帰って、残った資金で温泉にでも行こうかな。。
でも日本の温泉だと1週間もすれば資金はなくなってしまうけど
アジアのタビなら、まだ半年くらいは持つはず。いつもアタマはオカネを節約することばかり考えてしまうのです。

旅日記@ラオス


一時間半後、わーっと歓声が聞こえた。岩が動いて谷底へ転がったようだった!よかったー!
日本に帰りたい病になって暗かったびりちちの顔も岩を転がした達成感でニコニコだった。


旅日記@ラオス
@お肉を食べている国のヒトはパワーが違う。びりちちの絵日記より@

やっとバスは走り出した。約一時間後、ベトナムの出国手続きを終えて、ラオスの入国手続きを済ませた。
その後も何度かゴハン休憩を入れながら峠を何度も越えて午後6時、ハノイを出て24時間後
やっとビエンチャンに到着した。
カラダを伸ばす。ふー・・すごくキツかった。カラダのアチコチが痛い。
もうケチるのはやめよう。
飛行機で飛べるところは飛行機を使って、おばちゃん、おじちゃんらしく、もう少しラクなタビにするぞー。


旅日記@ラオス

旅日記@ラオス
@ラオスのヒトたちはマイペース@

ビエンチャンは特に見所もなかったのでマーケットを見て、すぐに次の日
ラオスの一番の目的地、世界遺産のルアンババーン行きバスに乗った。
もうバスはウンザリだったのだけど、一晩寝て元気になってきたのでケチ魂がまた姿を現したのでっす。
ラオスは道のほとんどが山道の上に、デコボコの穴がたくさん開いているので、すごく揺れる。
途中、歩いているヒトも見ないし休憩のときに立ち寄る村にもほとんどヒトがいない。
荒地のような乾いた土地が続く。走っている車もほとんど見ない。
ラオスのヒトたちは穏やかで大人しいヒトが多かった。
休憩で立ち寄った食堂で食べたラオス料理もすごくおいしかった。

旅日記@ラオス

約10時間後ルアンバハパーンに到着。
ルアンバパーンの町はメコン川沿いにお店や宿やお寺がギュっと集まっていて
車の通りも少ないし歩きやすい。
そして町全体にメコン川と同じようなゆったりした、いい空気が流れている。さすが世界遺産。
アメリカさんたちがたくさんいるのでベーカリーアンドケーキとかパスタのレストランやオサレなお店も多くて都会的。
わたしはパン屋さんでシナモンロールやらケーキなどに狂喜乱舞し
びりちちはマーケットで<歌舞伎揚げ>煎餅を見つけ狂喜乱舞した。
びりちちは<歌舞伎揚げ>を7袋も買ったよ。
夜もラオス料理を美味しく食べた。
特に竹に入れて蒸して作ったスティックライスがモチモチしてて美味しい。コレにフリカケをかけて毎日食べたよ。
おいしくてヒトも車も少ないし、静かで、かと言って不便でもなく情緒もあるこの町はすごくよかった。
ベトナムで帰りたい病にかかったびりちちも歌舞伎揚げを売っているラオスに大満足したみたいだった。

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でもベトナムでの暴飲暴食に続いてラオスでの過酷なバス移動が加わって、ふたりともカラダ中が痛かった。
わたしは何度か吐いたりもしていた。朝はお昼くらいまで起きれなかった。

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カラダの調子が復活するまで手漕ぎの大きなボートをチャーターして洞窟へ行ったり
メコン川沿いのレストランでのんびり川を眺めたりして過ごした。

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ちょっと体力も回復してきたので、またバス移動。
結構きれいなバスでスピードも出ていたので安心していたら5時間後、バスはヘンな音と共に停車した。
パンク。ラオスでのバス移動は本当に体力を消耗するよ。
でもインドでも何度もパンクを経験していたので、ボケっと待つ。
ボケっと待つことにも相当慣れてきた。
そして、その間に草むらへササっと入って用を足す。草むらでの用足しもだいぶ慣れて来た。
約9時間後、ルアンナムターという町に到着。イテテ・・ガタガタ揺れたのでカラダ中が悲鳴を上げている。

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ラオスのガイドブックを持っていなかったので一緒に乗っていたアメリカさんたちの後をついて歩く。
アメリカさんの後をつけるのにも慣れたよ。
でも、カラダはガタガタバスには慣れない。
もうカラダ中が痛くて痛くて、わたしはこの小さい町ではずっと寝て過ごした。
食欲もなくなってきた。町を歩く元気もない。ゴハンの買い物をする気さえ起きない。
びりちちとも話す元気がなく、ずっと無口のまま過ごした。
ナニをする気もマッタクでない。ナニを見ても楽しくないし無気力感に襲われていた。
反対に、いつもイヤです、イヤです。とタビを続けていたびりちちは元気そうだった。

旅日記@ラオス

カラダの全てが痛く、やる気も出ないまま、いよいよラオスとタイの国境の町を目指す。
このまま、この町で寝ていたらカラダを起こすタイミングさえも逃しそうだった。
カラダを引きずりながらバスターミナルに行くと、
そこには大きなバスではなく大き目のジープを改造したトラックバス。という乗り物が待っていた。
よくアメリカの戦争映画で兵隊さんたちがアーミー服に身を包んで乗っているようなジープ。
わ・・最後はコレか・・
後ろの荷台が木の座席になっていて、そこへ9人向かい合ってギュウギュウで座る。
前に座っているアメリカさんの足が長すぎて、わたしは足が伸ばせない。
最後に荷台に入ってきたヒトは座れなくて棒に摑まって立っていた。
車内にはラオスの人達が5人乗った。キツイ・・この状態で9~10時間も乗るのね・・
わたしは泣きそうになった。前に座ったアメリカさんも泣きそうな顔をしていた。
ともあれ出発。ガタガタガタ・・・すごい山道。コレだから大きなバスではなくてジープなんだ。
山道は普通の車がやっと一台通れるくらいの道幅しかない。
荷台には屋根しかついていないので、砂埃をモロに受ける。目に砂が入って痛い。顔がザラザラする。
前に座っているアメリカさんの顔も黒ずんできた。
弱ったカラダにガタガタ道のカーブが続くのでだんだん気持ちが悪くなってきた。
そして、またトラックバスは何もないところで停車した。今度も故障。
でも休憩が出来て嬉しい。息をゆっくり吐いて足を思い切り伸ばす。
新しいトラックバスに乗り換えて、また出発。

旅日記@ラオス

しばらく走ると景色はジャングルみたいになってきた。ラオスではあまり森林を見なかったのでちょっと嬉しい。
思い切り新鮮な緑のニオイを吸う。
熱帯植物が生い茂る、狭い山道をドスンドスンと走っていると激しいスコールがやってきた。
雨でビショビショになる。雨で濡れた顔を素手でぬぐう。
さっきまで、すごく蒸し暑かったので雨が気持ちいい。
雷も鳴り響いている。近くに落ちたような大きな音。
何度も橋のない川を渡る。
土砂降りになってきた。道は激しい雨を吸いきれずに川となった。
川の中を走っているみたいだ。周りはジャングル。顔もカラダも荷物もびしょぬれ。
何度もTシャツを絞る。わたしは楽しくなってきた。
前のアメリカさんも笑っていた。びりちちもエヘラヘラと笑っていた。
みんな、ビショビショの顔が笑っていた。
もう、どうにでもなれ!という思いで、今までのウツウツした気持ちが一気に開放された。
あぁ、可笑しい。周りから見たら、このジープのヒトたちは不憫に映ったかもしれない。
でも、ジープに乗っているわたしたちはみんな愉快だった。

旅日記@ラオス


こういう一瞬があるからタビを終わらせたくないんだ。
こういう1瞬があるからタビを続けていける。
また、こんな1瞬がくることを願いつつ、まだまだタビを続けよう。
少し元気が出てきた。

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乾いた大地が見え始めた頃ジープは国境の町へ着いた。

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@ラオスでのバスルート@


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Posted by びりははです at 09:32 │旅日記